Vol.10
YUJI HONBORI EXHIBITION
2019年7月1日(月)〜9月16日(月祝)
近年、人々の生活は豊かになり物が溢れる時代になった。豊かさを求めるあまり自然破壊や環境汚染など多くの問題を抱えるようになった。いつの間にか私たちはその行いに麻痺してしまったように思える。リデュース(再生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)という言葉を耳にする機会が多くなってきた。それは世界中で自然環境保護の意識が高まった証でもある。アートの世界も同じであり環境問題を題材にした作品が多くある。今回紹介する本堀氏もその一人だ。
本堀氏は長年、木の廃材の内から木の魂をぬき出すように制作に打ち込んでいた。しかし、阪神淡路大震災時に倒木が人々を害するのを目の当たりにして暫くは木を使うことから離れていた。色々な素材で制作を試みていたが、寺社の建築端材を手に入れたことにより厨子の様な作品を制作することになる。これを機に納めるための仏像を制作することになる。以前は、木に向かい形を割り出すことで内なるものを見出そうとしていたが、段ボールを使うことにより隙間から見える光がまるで後光が射しているように見えた。内なるものから光が射し込むように想えた。
使用済みの段ボールで出来た仏像は人の営みを感じ、まるで仏像に抱かれているように見える。
タイトルは「JOUDO」~捨てる紙あれば拾う神あり~とユニークなタイトルではあるがアーティストとして環境問題を捉え自らの表現で人々に伝えているように想える。
本堀雄二
アーティストトーク:2019.7/15(月祝)10:00〜11:00 ※申込不要